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堀江由衣 Second Tour 2006「堀江由衣をめぐる冒険」大阪公演

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アリスの世界観を投影したライブ

堀江由衣は歌手にはなれない。

ファーストアルバム「水たまりに映るセカイ」から5年。最近作「嘘つきアリスとくじら号をめぐる冒険」と比較すると、確かに歌い方は上手くなっている。作詞家作曲家もスターチャイルドが誇る布陣で臨む。

「嘘つきアリスとくじら号をめぐる冒険」は、「不思議の国のアリス」の世界観でできている。そして、今回のライブツアーも同様だ。舞台にはスクリーンをセットしており、ストーリー構成がある。不思議な穴に落ちてからはじまる堀江由衣の小さな冒険だ。

ステージにはトランプの兵隊を模したダンサーたちが数名。天井には飛行船「くじら号」。そして主役のアリスは堀江由衣。アリスを思わせるような衣装は「マッシュルームマーチ」によく似合う。

ここで、ギターやドラムなどのバンドがいないことに気づく。曲は全て打ちこみ演奏なのだ。曲に合わせて右に左にと舞台を駆け回り、客席に向かって手を振る。果ては剣を手にしたり、(ストーリー上)指輪を探したりする。曲は聴かせるものではなく、ストーリーを盛り上げる為にあるようだ、と思わせる程だ。

ライブの始まりから終わりまで一貫して、アリス=堀江由衣の冒険を描き出している。 歌を挟み、イベントに物語性を持たせることで、新谷良子のライブと通じる物がある。

歌手にはなれない、けれど、声優である。
こうしたイベントは、声を当てる本来の仕事であるアフレコと比べて副次的な物かもしれないが、ファンサービスとして、4年ぶりのライブは大きな意味があったのではないだろうか。

平日でもチケットが売れる実力

「堀江由衣をめぐる冒険」は全公演とも平日に行われている。
チケット代は5,500円。学生には高いだろう。開催日は平日。社会人には辛いだろう。

それでもチケットは、ほぼ完売。コンサートグッズを手に入れるまでには長蛇の列。もしも休日に行っていたら、即日完売は難くない。改めて人気であることを思い知らされる。

声優ファンを自称するなら、無理して参加しても損はない。 そこでは「Happy Happy rice shower」「Love Destiny」「笑顔の連鎖」など、かつての名曲と出会えるはずだ。

今年、30歳になる声優には堀江由衣の他にも、田村ゆかりがいる。かつて「やまとなでしこ」で堀江由衣とユニットを組み、二人は業界の人気を二分する程の声優になった。 20代後半で人気が落ちてもおかしくはない世界で、人気の頂点にいる。今回の堀江由衣ライブツアー、大会場にもかかわらず空席はほとんど見当たらなかった。

もしかしたら時代は、30代の人気アイドル声優という、常識を覆す日を待っているのかもしれない。

演奏曲一覧

――BGM(はじまりの唄)――

01.Puzzle
02.虹色☆サーチ
03.Baby, I Love You!
04.A Girl in Love
05.蒼い森
06.世界中の愛を言葉にして

07.見つめられたら -When I Fallin’ Love With You-
08.on my way
09.くじら光線
10.my best friend
11.Romantic Flight
12.スクランブル

13.Shiny merry-go-round
14.Love Destiny
15.Will
16.I Wish
17.マッシュルームマーチ
18.LET’S GO!
19.笑顔の連鎖

――メンバー紹介(BGM Puzzle)――

――アンコール――
20.Love Destiny
21.Go! Go! Golden Days
22.Happy happy * rice shower -type yui-

会場:ウェルシティ大阪厚生年金会館 大ホール / 2006年2月3日(金) 18:30開演

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