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國府田マリ子コンサートツアー「この空からきこえる」大阪公演

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Lifelike~It’s now or never~

初めてラジオで「Lifelike」が聴こえた時から、ぜひ生演奏で聴きたかった。2003年のコンサートツアーがあると聞いた時から迷わず参加を決めた。大阪公演。

ラジオ「國府田マリ子のGM」でのエンディングテーマで放送されているこの曲。名曲「Horizon」の後釜として決まったこの曲に魅せられた。毎週ラジオで曲が流れるたびに耳を澄ませていた。一字一句も聞き逃すまいと。今回のコンサートは主にニューアルバム「この空からきこえる」とニューシングルの「Ta・ra・ra」から構成されている。ただ、最新アルバムに収録されていない「Lifelike」だけは聴きたかった。

コンサートに参加するのは実に2年ぶり。そう、実は丹下桜コンサートツアー「未来からのエアメール」から何も参加していないのだ。今の勢いについていけるかなと言う微かな不安はあった。ましてや「なんばHacth」はライブ会場。1階はオールスタンディングだ。しかし、コンサート会場に着くと胸の中を去来するのは高揚感ばかり。

2階の指定席につく。舞台が暗くなる。やがて光に照らされて明るくなる。水色の衣装に包まれたマリ姉が空色の舞台に立つ。予想通り「Ta・ra・ra」で幕をあける。会場は盛り上がりを待っているようだ。

しばらくして聴きなれた音楽を耳にする。「痛いくらいの大空、風まき起こす奇跡」

─―Lifelike!

3曲目で聴けるとは思わなかった。アンコールで登場するものだと踏んでいたのに。歌声が自分へと真正面にぶつかってくる。真に迫るこの気迫。衝撃。鳥肌がたつ。朝日の群青、昼の空色、夕日の橙に舞台は彩られる。舞台は空にある。この空から歌がきこえる。彼女は数曲歌うたびに客席に向かって手を差し出し、優雅に礼をした。

視線を変えてみる

今回は歌で勝負する。マリ姉はそう言っていた。確かに、2曲目の「勇気のはじまり」や14曲目の「花」、15曲目の「PURE ENERGY」などではライブ会場として盛り上がる選曲であるし、一方で8曲目の「風がとまらない」、9曲目の「もんしろちょう」、10曲目の「がじゅまるの風唄」などではしっとりと聴かせる。全盛期の力はないにせよ、マリ姉ファンには十二分に楽しめるライブ構成だった。

が、私としては彼女の本質は歌ではなくラジオに代表されるような話術にあると思う。なぜ「國府田マリ子のGM」が10年もの間、そして今も若者たちに支持されるようになったのか。それは常に聴いているものの視線、リスナーの視線で語っているからではないのか。自分で伝えたいもの、表現したいものを10年もの間、ラジオの電波に乗せてきた。そのことが彼女にとっての大きな経験となっているはずだ。

さらに、マリ姉の視線に関して印象的なシーンがあった。アンコールで演奏された「ハチミツ」、「PURE」の後にバンド紹介があった。その中の一言である。
「そしてボーカルは國府田マリ子と、なんばHatchのみんな!」
こんなボーカル紹介の仕方はないだろう。思わず苦笑した。だが、マリ姉がリスナーの、また観客側の視点で物事を捉えられると感じた一瞬でもあった。

アンコール最後の曲は「Happy! Happy! Happy!」、声を限りに歌う者、腕を振りあげる者、ジャンプまでしてリズムを取る者、舞台も1階も2階も全てを巻き込んだ熱唱で幕を下ろした。

ひとつの曲がリフレインする。
「名前のない気持ち 礼をこめている」
覚めやらぬ喧騒の中、私は誰もいなくなった舞台へ向かって一礼した。

演奏曲一覧

01.Ta・ra・ra
02.勇気のはじまり
03.Lifelike~It’s now or never~
04.ガラスの靴
05.空の手のひら
06.好きだよ
07.山田君
08.風がとまらない
09.もんしろちょう
10.がじゅまるの風唄
11.オンナハ コイデ シネルカ
12.吐息
13.この宇宙~ソラ~からきこえる
14.花
15.PURE ENERGY
16.空に続く坂道
17.約束

~アンコール~
01.ハチミツ
02.PURE
03.Happy! Happy! Happy!

会場:なんばHacth // 2003年3月30日(日) 18:00開演

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