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「いなり、こんこん、恋いろは。」伏見稲荷探訪記

一度も行ったことのない、伏見稲荷へ行ってみたい。 
2014年1月から3月に放送していた「いなり、こんこん、恋いろは。」を毎回楽しみに見ていて膨れ上がった想いが、ついに結実するときがやって来た。 

今回の舞台は京都は伏見稲荷大社。初詣で訪れる数は西日本一の、270万人を超える日本屈指の大社。全国に数多ある稲荷神社の総本山。外国人に人気の日本の観光スポット上位の常連である(トリップアドバイザーより)。 

一般的な聖地巡礼はアニメを起爆剤にして町おこしをしようとすることが多い印象がある。ところが、伏見稲荷大社はその逆を行く。大社に乗っかってアニメをヒットさせようとするような印象すら受けてしまう。 そんなことを思いながら、3月の晴れた日に、京阪電鉄の伏見稲荷駅に降り立った。

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伏見稲荷駅周辺をぶらつく

駅を降りると、そこは物語の世界のはじまり。
おお、オープニングのワンシーンと一緒だ。通学途中の墨染さんが髪をそっとかきあげるシーンを思い出す。すぐにカメラのシャッターを切る。 

「すごいすごい。ちょっと墨染さん呼んで来てー! 無理なら誰か演技してー!」 
 同行者は私と同年代の友人2人の計3人。終始こんな調子で舞台探訪を楽しんでいた。 

11時30分前に食事処「いなり」へ到着。 
第一話で、いなりが天丼を食べていたあの定食屋だ。開店と同時に入り、店内を見渡し、11番の席を探す。 

11番の席がアニメで描かれていた場所だった。店内をきょろきょろしていたので、注文を取りに来たおばさんから「アレですか(アニメの舞台を見に来たのですか)?」と聞かれたので、「アレです(聖地巡礼です)」と暗号のように答える。しばらくすると、地元の人や普通の観光客も入り、また同じような舞台探訪者のグループも入って来て、満席となった。 

天丼(700円)と、いなり寿司(1個80円)を注文。ごちそうさま。 

伏見稲荷大社〜聖地巡礼者を探そう〜

食後は、いよいよ物語の舞台である伏見稲荷大社へ向かう。 
大社の周辺の商店街も観光客が絶えず歩いていて、燈日兄ちゃんのように自転車で商店街を走らせることは、昼間はできないだろう。本気でオープニングを再現するなら、午前6時くらいに撮影するのが良いのかも。さらには、いなりを含めて人数が10人くらい必要だろうか。撮影の得意な人がいたら、ぜひ再現してみたいものだ。

そんなことを友人と話しながら、楼門前に到着すると、楼門の右下にちょこんと、うか様のパネルが立っている。 
外国人の観光客が、よく分からないながらうか様と一緒に写真を撮っていたり、若い男性達のグループが(スカートめくりをするようなイメージで)うか様を下から見上げている。仮にも神様に対してなんと不謹慎な(笑)。まあ、自分もいなりちゃんやうか様のパネルと喜んでツーショット写真を撮ってもらったので、人のことはあまり言えないが。 

楼門の手前には手水舎があり、柄杓がオープニングで登場するのでカメラに収める。 手水舎って、神様に参拝する前に清める所なので、普通は写真に撮るような場所ではない。それを構図が違うとか、人が来たから一旦撤退とか、手水舎の中で必死になって写真を撮っていた。 

「ほーら、あれが巡礼者だよ」 
指をさされる自分。友人が一般の観光客と聖地巡礼者の見分けについて話していた。 
つまりは、一般の観光客が写真を撮らない場所で必死になって撮っていると、聖地巡礼者の可能性が高くなる。楼門をくぐると本殿が見えて来るのだが、本殿自体は一般の観光客が写真を撮っている。もちろん、自分も撮ったが、さらに本殿の屋根の瓦だけを撮る人はいなかった。瓦だけの写真を撮ろうと限界まで腕を伸ばし、背伸びをしたような状態でカメラを撮る。その横をカップルが「こいつは何をしているんだ?」と言った様子で通り過ぎて行った。 

本殿では、色々な願い事を叶えてもらおうと、人々がお祈りをしている。だが、こちらが神様に伝えることはただひとつ。「やーちんと申します。本日は撮影にやってきました。できる限りご迷惑をおかけしないようにいたします」と、うか様、つまり宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)に申し伝えた。ちなみに友人は、後で賽銭として数千円を投入! 

千本鳥居を抜け、奥社へ。 
オープニングの最後、いなりがうか様に抱きつくシーンだ。千本鳥居を抜けて、同行の友人(=おっさん)に抱きつこうとしても気持ち悪いので止めました。 

いなりが体育座りをした場所は?

これまでで、オープニングの主要なシーンの大半は写真に撮ったのだが、オープニングでいなりが落ち込んだ時に良く行く社が見つからない。そこで、いなりが座っていたように、私も同じく三角座りをしたいのに。 

そうだ! 聖地巡礼者の見分け方を駆使して見つければいいんだ。所々に巡礼者のような行動をとっている人は見かけているので、これで大丈夫だろう。そう考え、周囲を歩き回る。だが、目的地も、巡礼者のような人も見つからない。正確に言うと、それらしき建物はあるのだが、階段の数が明らかに少ないし、映像のような立派な社でもないので確証が持てない。 

体育座りをしていた場所は「根上りの松」という。もう一度、目を付けていた建物を丹念に調べると、小さな石碑を見つけた。よく見ると石碑には「根上り松神域整備工事」のことが書かれている。 

これだー! オープニングの風景は改編していたんだね。 
ともかく、人が通らないのを見計らって、いなりのように体育座りをする。座っているのは可愛い女子中学生ではなかったけれど、これで目的は達成できた。友人にも座るように勧めたのですが、誰も座ってくれませんでした……。俺だけかよ! 


いなりが落ち込んでいたように、体育座りを再現すると言う大きな目的を達成したので、稲荷山を登って、景色が良いと言われる四ツ辻まで向かう。 
オープニングを全て再現するのには程遠い。本気で全ての場所を特定するなら、一度ならずとも何度も訪れる必要がある。実際、聖地巡礼を行って場所を特定している人たちの中には、毎週現地へ行って調査をしている人もいるらしい。それも人がいない朝などの時間帯を狙うのだ。 

今の自分にはそこまで出来ない。だけど、今日のように物語の場所を追体験できるだけでも、いなりや、うか様の影を追っているような気分になって、一日ずっと上機嫌だった。 

山の中腹にある四ツ辻からは、舞台になった伏見稲荷を含めた京都市内を展望できる。またいつか、この大社にやって来たら、うか様やいなりたちに会えるよね。 
そう確信しながら、舞台になった京都の景色を堪能していた。

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