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メイドカフェを力の限り訪れる

メイドさん

2005年春、大阪は日本橋にある5軒のメイドカフェ。それを一日で全軒はしごしてみようという企画を思いつき、その記録を活動雑記にまとめました。一店あたりの滞在時間はおよそ60分で、間に日本橋を散策します。しかしかなりアホな企画であり、飽きが来る可能性もあるのが心配の種でした。

入店時に、「ご主人様(お嬢様)、おかえりなさい」、
退店時に、「いってらっしゃいませ」とメイドさんが挨拶するのは、どの店舗でも基本です。

今回、対象となった5軒のメイドカフェは、
■ めるかふぇ
■ Cafe Doll
■ メイドインカフェ(現在は閉店)
■ e-maid
■ CCOちゃ
です。

目次

めるかふぇ

まず一店目。2005年4月29日グランドオープン、「めるかふぇ」です。

めるかふぇ、新装開店につき。

前評判は良いと聞いていました。そして、その評判どおりでした。外では新装開店の花束が大きく目立ち、静かな店内では、まだ不慣れなメイドさんが従事しています。メニューはごく一般的な喫茶店で見られるメニューです。普通のコーヒーからケーキ、パスタといった軽食まで。味も悪くありませんでした。

レシートのロゴ

ちなみに、メイド喫茶に行くと、コーヒーのミルクや砂糖を入れる時に、かき混ぜてもらえるサービスがありますが、これ、おかわりしたら何度もかき混ぜてもらえるそうです(メイドさん談)。ここでは、昼食がてらにパスタを注文。

会計のレシートに「めるかふぇ」のロゴが入ってくるのが面白いです。出来てから日が浅いので、今後どうなるのか期待できる店作りでした。

■ めるかふぇ 公式ページ

Cafe Doll

人を選ぶ喫茶店です。Cafe Doll

日本橋界隈の奥、地上三階という入りにくい立地でいちげんさんを避けてもいるように見えます。中は、レジが中央にあり、左が禁煙席、右が喫煙席に分かれています。直前に10人ほどで押しかけた団体(しかも、ハンドルネームで呼んでいたのでオフ会だろうか)がいたので、少し注文が遅れていたとは思いますが、メニューが出てくるまでに1時間弱は待たされています。普段もこんなのでしょうかねぇ。

ここでの特徴は、店内でメイドさんと遊べること。
写真を撮ったり、「黒ひげ危機一髪」のゲームができます。もちろん別途料金がかかります。そして、客から見える位置に「(メイドさんが休憩して)食事中」と書かれた手製の看板が。手が空いていると、メイドさん同士で喋ってもいるので(※)、どうやら、メイドさんの素に近い姿を見てもらおうとする演出でしょうか。

※ 普通の店では、こんなことできません。

オムそばやオムライスを注文すれば、絵を描いてもらえます。今度行くならば、「薔薇」とか「蒟蒻」でも書いてもらえるか試してみよう。実際、「こんなの描けるか!」と思うような難しい絵を頼む人もいるそうです(メイドさん談)。

ここでは、デザート代わりにケーキセットを注文。コーヒーはミルクではなくて、スジャータが登場するのには驚きましたが、それでもメイドさんに入れてもらえる所が、メイド喫茶たる由縁です。

メイドインカフェ(現在は閉店)

日本橋の中心から外れ、しかもビルの地下にあるので、見つけにくい穴場です。

Maid in Cafe

入ってからしばらくすると、先ほどの「Cafe Doll」で見かけた集団がやってきます。まさか、1日で5店舗制覇なんて、同じことを考えているのか!?

地下だけあって、店内は薄暗く殺風景。15時にもかかわらずBGMに「蛍の光」が流れるという素晴らしい選曲センスです。条件反射で帰りたくなってしまいます(笑)。メイドさんの制服がそれぞれ違うのが特徴的でした。

メニューはメイド喫茶で見られるものが一通り。絵を描いてくれる「オムライス」もありますし、コロッケもあります。ただ、値段は他の店より若干低めに設定されていますので、オタ学生にとっては助かる存在になるかもしれません。

ここでは、おやつ代わりにコロッケを注文。キャベツとポテトフライまでついてきます。さっきから食べ過ぎているような気がする……。 

e-maid

オタロードの喧騒から少し離れた場所に位置しています。まわりに飲食屋や喫茶店、コンビニもあり、比較的入りやすい雰囲気で、次々と人が訪れています。印象的なのは、ご主人様ならぬ、お嬢様が多いこと。普通のメイドカフェでは考えられない風景です。

e-maid

それも頷けます。明るめの店舗にはアンティークな時計が壁にかかり、中央にケーキセットのサンプルが並ぶ、その姿はまるでケーキ屋のごとき内装です。ファッション誌の「MORE」も完備しています。その横に、「これが私のご主人様」の漫画が置いているのは、メイド喫茶としての標準装備です。

かいがいしく働くメイドさんはかわいくて美人が多い。同行者と二人で「ツインテールだ!」と盛り上がっていたのは内緒です。

それにもかかわらず。
 「e-maid」には、いい思い出はありませんでした。既に、パスタ、ケーキセット、コロッケ(+ポテトフライ)と食べ続けてきたやーちん。メニューを見ると、「大人のお子様セット(ドリア)」があるのに気がつきます。

迷わず注文。そして後悔。

食べ続けた私の胃袋では、大人のお子様ランチ(普通の大人1人前くらい)には太刀打ちできませんでした。もはやオフの主催なんてどうでも良い。とにかくこれを全力で食べなければ! との思いに駆られ、水を頼みつつ、ひたすら黙々と食べ続けます。

ーーサイトを続けるということは、かくも厳しいことなのか。

完食。そして体調不良に陥ります。
一番おすすめ(特にお嬢様方に)でもあり、同時に、個人的に一番思い出したくない店にもなってしまいました。

■ e-maid 公式ページ

CCOちゃ(こっちゃ)

全店達成を阻んだ難関にして老舗。
自分達の前に何人も待っており、入れずに時間オーバーとなりました。

CCOちゃ、CCさくらに似ていると思う

こちらの内装はあまり凝っていなく、飾り気のない大きな部屋にウッドデッキと椅子がいくつも置かれています。室内灯が部屋の中をほのかに照らしています。室内を暗めにするのは話しやすい雰囲気を作り上げます。ひとりひとり丁寧に接するメイドさんの態度からも、さすがに安定した人気を誇っています。メニューも、「赤い彗星」や「大きな萌え」、「小さな萌え」などの個性的なものから、普通のコーヒーまで、メイドカフェの標準レベルを越えています。

普段の場所では言えないことを語るため、オタクが大挙して(?)この場所に押し寄せることもあるでしょう。実際、オフ会でここを利用しているグループだっています(自分の所も含めて)。一方、一人で来る人を見ていると、もしかしてメイドさん目当てと思しき方がちらほら。メイドさんの方をちらちらと見ています。

楽しいのは会計時。
巨大電卓を持ったメイドさんがやってきて、精算してもらえます。その大きさたるや、なんと30cm!

■ CCOちゃ 公式ページ
■ はじめてのメイドカフェ (K’s station)
(レポに関しては2005年1月9日の日記より、加筆修正しています)

人間、ノリだけで生きていける程甘くはない

「電車男」に代表されるような「アキバ系オタク」のメディアへの台頭(好意的に捉えられるのは少ないですが)。「萌え」関連ビジネスの流行。また、そうした事業を手がけている会社の株までもが急上昇した2005年の春。こうした「萌え」産業は、まだ伸びる余地を秘めています。ただし、テレビや新聞などの巨大メディアが取り上げた時点で、もはや流行は収束に向かいつつあることも忘れてはいけません。

理念無き企業は、消える。
メイドカフェがオタクの間で流行っているのを耳にし、「萌え」産業の隆盛を目の当たりにして、「ここは一つ、自分もそれ系の喫茶店を開けば儲かるかな」と考えている方がいるならば、そんな甘ったるい考えは今すぐにでも改めてください。限られた金をどこで落とすか? 日々の「萌え」の選別によって鍛えられたオタクを納得させるには、相応の努力が必要ですし、また、今まで生き抜いてきた店は、その努力を積み重ねているはずです。

今後、日本橋でもメイドカフェが数店舗、新たに軒を連ねます。日本橋を訪れるオタクの数はあまり変わりなく、パイを奪い合う激戦区となるでしょう。その時、新しくできる店には「ウチはこんな店にしたい!」という理念が、経営姿勢に現れてくるでしょうか。

人間、ノリだけで生きていける程甘くはありません(※)。
偉大なる先達に負けないことを期待しています。

※ 当日、ノリだけで食べ過ぎて、吐き気をもよおしていた人が言える台詞じゃない。

「メイドカフェを力の限り訪れる」の参加者様。ありがとうございました。
■ Komaさん
└ メイドカフェを制覇せよ! (Komaさん視点から見たレポート)
■ ぷりぷりえびカツパンさん
■ みらちゃんさん
■ やーちん

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