知人が出演するミュージカルを見に行った。
幼い頃から芸能分野で活躍することに憧れていた彼女が舞台の中央へと進む姿は、ひとつの目標を達成した道標となった。彼女は自分の夢と目標を周囲の人たちに伝えていた。その目標のひとつひとつを順番に達成して今は、ミュージカルでの役を演じ、歌う。
翻って自分の身はどうだろうか。
不言実行でなくてもよい、有言実行であったかと考えると、中々思いつくものが少ない。ただ、例のファンブックに関しては回りに「やる、必ずやる」と言っていたので、途中何度もへこたれて止めようかと思ったけれど公言した手前、後には引けない。
周知の如く、最終的には本当に本となって同人誌発行ができた。これもひとつの実現例には違いない。
ひとつの目標を達成した後、私は周りの人たちに「次は自費出版ではなくて、ちゃんとした本を出す」と言い始めた。
それは、ずっと昔から憧れていた、物語を書くということ。
夢は思い続けるだけでは叶わない。
目標を持って、努力をしても叶わない事は、珍しいことではない。
幼い頃から願い続けて、誰にも言わず叶えられなくて、今は忙しさに紛れて忘れ去ろうとしていたこと。だが、それでいいのかという気持ちが持ち上がっていた。
そして、私も公言するようになった。「必ず自分で書いた本を出版する」と。
舞台の上で朗々と歌い上げる彼女の声と姿は、誰よりも凛々しく輝いていた。
これからも少し上の目標と夢を持ち続け、本格的な芸能活動に入るのだろう。
夢を叶えるというのは、諦めないこと。目標を持ち続けるということ。
地上から見上げる星は遥か遠く、手を伸ばせど掴めやしない。
だけど、いつか届く、届いてみせる。あの星の元へ。
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