生来の気質ゆえか、話すのが大の苦手な私は、それでもなんとかしたいと煩悶(はんもん)しています。馬鹿だな、そんなの聞き上手になればいいんだよ。とよく人から言われ、本にも書かれ、あまつさえはネットにまでそんなアドバイスが流布されています。
そうだな、話せなくても大丈夫。聞き上手になればいいんだ。
よーしボク今日から実践しちゃうぞーとやってみるのですよ。
「……」(やーちん:聞くのをスタンバイ)
「……」(相手は話す気がない!)
沈黙は続く。みんなウソつきやぁ!
聞き上手というのは、相手が喋ってくれる関係にならないと意味がないと思いませんか。そして、そんな関係ならば既にコミュニケーションを心配する間柄でもないのです。
では、そこに至るまでには「相手が思わず話したくなるような気の利いた問いかけを繰り返す」のが効果的なのですが、それに言及しているような——どうすればそんな問いかけができるのかを知れる——アドバイスは見聞きしません。精々が「もっと喋りかけるんだ」と、答えになっているのやらいないのやら、精神論ともいえるものでしかありません。
困ったものだ。
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